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執筆者の写真直樹 冨田

映画「ひまわり」のテーマ曲をアップしました

 1970年のイタリア映画「ひまわり」のテーマ曲をアップしました。映画の粗筋はこんな感じです。第二次世界大戦中、イタリア・ナポリで結婚したばかりの夫(マルチェロ・マストロヤンニ)が徴兵されてロシア戦線に行かされ、戦後になっても戻らず、新妻(ソフィア・ローレン=映画の主人公)が夫を探しにロシアに行ったら、彼はそこで(寒さで凍え死ぬ寸前のところを助けてくれた)ロシア女性と結婚して子どもがいることがわかった・・・その奥さんが駅に連れて行ってくれ、何年かぶりに電車から降りてきた夫と少し離れた距離で顔を合わせるや、一言も言葉を交わさず、彼女は走り出した電車に飛び乗り、電車の中で号泣しながらそのままイタリアに(その時にこの曲が流れます)・・・その後しばらくして(何年か経って?)今度は元夫(マルチェロ・マストロヤンニ)が母に会うという口実でイタリアに戻ってきて、元の妻にもう一度やり直そうと誘いかけ、彼女の心も一瞬傾きかけるが、その時、彼女の赤ん坊が泣きだす・・・彼女も別の男性と結婚して子どもができていた。そして二人はイタリアの駅で永遠のお別れする・・・イタリアで再会した際に二人が交わした会話は(私のおぼろげな記憶では)こんな感じでした。

女「あなたはそこを去らず、そのまま居座り続けたのね」

男「あの時、唯一信じられるものはあそこにしかないと思った」

 このテーマ曲はゆっくりしたテンポで流れ、信じていた夫に裏切られた女性の悲しみを表現しています。編曲のアントニオ古賀さんは、高いファの音から1オクターブ半下のミの音へ降下するスケールで、天国から地獄に突き落とされた主人公の女性の衝撃を表現しようとしたと私は感じます(それが2回出てきます)。

 映画の主人公の女性は、夫が戦争で戻らないので一人でロシアに出かけ、そこで夫に新しい妻と子どもがいると分かると、イタリアに戻って別の男性と家庭を持つ、というふうに自分で人生を切り開き、いつまでも悲しみにとどまっていません。しかし最後の駅での別れのシーンから、身勝手な元夫を今でも心の底では愛している・・・。テーマ曲の切なく哀しい調べは、彼女の力強い行動力の裏で必死に抑えている彼への想いを表現しているように感じます。

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